true japan

Its Culture, Business, through a Japanese Marketer's Eye.

著作権の話し

著作権・・・・・避けては通れない話しだが、考えると気が重くなる。5月頭の新聞にも記事が載っていたが、国内のテレビ番組を海外在住者向けに配信していた会社が、著作権法違反の容疑で摘発された。

ジェーネットワークサービスインターナショナルの経営者は、月数千円の料金で、NHK民法の番組をそのまま配信していた。

このサービス自身を考えると、非常に便利だ。私自身、10年以上前に海外赴任した時には、日本のTV番組が恋しくなり、住んでいた場所の側にあるヤオハンにテナントで入っているレンタルビデオショップに通ったものだ。

そこは韓国系の移民の方が経営していたのだが、販売されているオフィシャルなビデオに加えて、最新の日本のテレビドラマが1週間遅れで入荷されていた。当然、違法コピーである。CMも含めて、すべて録画されたものだ。

 

メディア人として考えると「著作権は守るべきモノ」と感じる。しかし同時に、Web人として考えると「解放していく方法を考えるべきモノ」とも感じてしまうのだ。

ステークホルダーがどうこうとか、著作権者がどうこうと言う話しではなく、単純にユーザーとして何が欲しいのか?という議論がなされていないように思える。

 

現に、出版メディアの中でも、過去のアーカイブをどのように活用していくかで議論はされている。創刊されてから100年以上経つ雑誌もある。このバックナンバーには、歴史的価値のある情報が詰まっていて、過去のコンテンツをデータマイニングしていけば、世の中のファッション動向から、色々な事実が分かってくるだろ。これは宝の山なのだ。

 

しかし、著作権法がこの宝の利用に待ったをかける。過去のコンテンツに含まれている、画像やテキストの著作権だ。自社で大半(或いはすべて)の著作権保有できる、新聞系メディアは良い。過去記事を、どう使おうと自由かもしれない。それに対して、ファッション系や音楽系といったメディアは、保有するコンテンツの大半が、他者の著作権物から成り立っている。利用の仕方にもよるが、二次利用と言うことになると、必ずコストが発生する。確かに、外部のカメラマンやライターの権益を守る事は重要だ。しかし、それらの著作権益を永遠にも近い時間に対して与える事が妥当かを考えたい。

Googleブック検索にしても同じだ。日本の著作権保有者達は、自社の著作権物をgoogleがインデックスすることを認めないと言うのだ。

 

では、どうするのだろうか?このまま価値のあるコンテンツを、自社の保有物として歴史の狭間に葬り去るのだろうか?ユーザーは、それらの価値がある情報が欲しいのだ。Googleにやられたくないのであれば、自社で公開する方法を考えて欲しいのだ。

 

そして、こうやって既存のメディアが進まない議論をしている内に、誰かが他者のコンテンツを利用して儲けているのだ。

 

結論のない議論はやめよう。早く動かないと、メディア共々、著作権者も滅びるかもしれない。