true japan

Its Culture, Business, through a Japanese Marketer's Eye.

アドネットワークの是否

Advertising Ageより

Publishers: It's Time for an Intervention

adage.com

旧来型の出版社(と言うよりはコンテンツ事業者全体)が陥りがちな、アドネットワークとコンテンツメディアの悩ましい関係について書いています。

 

「アドネットワークが出版業界を崩壊させるのではない。出版業界の間違ったアドネットワーク利用によって、自らを崩壊させているのだ。」

 

プレミアムなコンテンツ(プレミアムなユーザー)を抱えるコンテンツ事業者と一般的なコモディティコンテンツを抱える事業者では、広告スペースの売り方にも違いを持たせるべき。当然、プレミアム系はより高いCPMで販売するべきであって、それによって少ないインプレッション在庫でも事業を成立させる事ができる。

 

使い方を間違えると、プレミアムなユーザーですらもコモディティとして扱ってしまうことになる。これでは、たかだか月間数千万しかトラフィックのないサイトはビジネスにならない。

  

アドネットワークとメディアの関係

 

以前、グラム・ジャパンの発表会におじゃました時に聞いた話しだが、日本の出版大手で小学館では、社内に150を超えるWebサイトがあるとの事であった。

確かに女性誌からコミックまで複数の雑誌を抱える同社ではあるが、いくなんでも100を超えるサイトというのは異常ではないかと思った。

勝手な憶測ではあるが、企画やキャラクター別に、収益性などを考えずにサイトを乱立させてしまった結果だろう。

 

同様な現象は他の出版社にも見られ、当初は雑誌広告とのパッケージや単独でのメニュー化を目指して開設されるが、結局はどうにもならずに、単なる制作コストとサーバーコストとして放置されることになる。

このような状況下においては、思い切ってすべてのトラフィックをネットワークに委ねてしまうのが正解であろう。単価は下がるだろうが、どの道売り物になっておらず単なるサーバーコストだ。

 

この反対は、IT系を主流とするプレミアムコンテンツだろう。これらのコンテンツ事業者では営業人員も抱えているので、高い単価でスペースを捌いていかないと事業的に成り立たない。

 

そして、冒頭のコラムでも言われている事:

一度コモディティ化してしまった広告スペースの利益率を上げるのは至難の業であると言う事。プレミアムコンテンツは、自社による販売に執着するべきだと。