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Find JAPAN!

日本で起きていること →何が世界と違うのか? ビジネス/人類学的観点から深い視点での気づきを。文化とマーケティング の観点から日本を見つめ直してみよう。

なぜ日本にグローバルカンファレンスが根付かないのか?:ホテルの考察

日本で国際カンファレンスを運営してきて感じてきたこと。前回の展示会場の考察に続いて参加者を受け入れる宿泊施設の話。展示会には参加者がいて、その参加者を受け入れるホテルは重要な要素だ。海外から多くの訪問者を迎え入れるために必要なものは?

ツインルームの設定数が多過ぎる。

本来、カンファレンス会場周辺のホテルであれば、ビジネス需要を考えてダブルベッドのシングルユースを多く設定するべきなのだが、幕張周辺のホテルを見ると80パーセントがツインに設定してある。


理由を察するに、修学旅行の目的地として人気の舞浜(ディズニーランド)から溢れたホテル需要を取り込むことがある。聞くところによると、ツインの部屋にさらに補助ベッドを追加して3名宿泊という運用も多いらしい。

現実的にみて、海外(少なくとも欧米)から展示会にくるゲストが一つの部屋をシェアするということはなく、出来る限り大きなベッドで疲れを癒すことがホテルに求められる条件。

日本の場合は、夫婦ですら別のベッドを希望することが多い(と言われているが、実際は分からない)ということで、ホテルもツインを多く設定しているとのことではあるが、これでは海外からの訪問者からは見劣りのする施設に見えてしまう。せめてナイトテーブルの設置位置を二つのベッド間から外側に移動して、シングルx2をゆったりと使えないと。

 

ルームサービスの時間帯

ルームサービスについても脆弱であるケースが多い。大規模展示会場というのは、往々にして周辺にレストラン等がない場合も多く、出展側のスタッフは夜遅くまで会場で作業を済ませた後にホテルに戻って食事をする。しかし、多くのホテルは夜の11時程度までしかサービスを提供しておらず、これでは食事もままならない。日本人であれば、普通にどこかに食事に行くことも出来るだろうが、言葉や地理に不案内な海外からのゲストにはそれもままならない。

 

全体最適化が徹底されるカジノリゾートのモデル

グローバルイベントを支える会場にあるべきホテルの姿については、欧米にはいくつもあるのだが、誰でも知っているラスベガスの例を紹介。米国の主要都市から国内線でラスベガスに飛ぶ場合、同距離のフライトよりも料金が安く設定されている。ホテルも同様である。それは何故か?

そもそもラスベガスを訪問する旅行者は大半がカジノを訪れる前提で、なんらかの形でお金を落としてくれることになっている。そのため、カジノが協力して航空券代を安く設定できるようになっている。その値段設定によって、より多くの訪問者を集めれば、全体の売上が上がることは統計的に証明されている。

逆に、明らかにカジノでお金を使わない層ばかりが訪問するとすれば、航空券もホテル代も上昇する。実際に1979〜2003年までラスベガスで開催されていたCOMDEXの期間中は通常期よりホテル代は2倍以上の設定だった。COMDEXの参加者は、あまりにも仕事熱心で毎晩ネットワーキングパーティーに参加でカジノへは行かない。95年にCOMDEXを訪れた際には、カジノが半分くらいは開店休業状態でフロアの半分はクローズになっていた。

2003年より米NBCで放映されたLas Vegasというドラマシリーズがある。ラスベガスのカジノホテルであるモンテシートを舞台に、セキュリティチームの活躍を中心に展開する物語。コメディでありサスペンスであるこのドラマでは、ホテル、カジノ、レストランといったリゾート内の各ビジネスユニットがいかにして利益をあげていくかが描写されている。

 

米国でも屈指のリゾートであるラスベガスはコンベンションシティーとしても有名だが、このビジネスモデルは全体最適化を徹底している。リゾートの利益最大化のために、各部門のマネージャーの権限は最適化されていて、カジノに大金を落とす顧客からは部屋代、食事代も飛行機代も取らない。週末に数千万をカジノに落とす顧客から部屋代を取ることなんて全くホテルの利益にならなくて、それよりも全てをタダにした上で、リピーターとなってカジノで散財してもらう方がビジネスとしては論理的だから。

日本へのグローバル展示会・カンファレンス誘致のためには、会場だけでなくホテルも会場と連携した運営ができるようになることは必須条件となる。