true japan

Its Culture, Business, through a Japanese Marketer's Eye.

普段使いをブランド価値にしたHarley Davidson

縁があって最近ハーレーに試乗する機会が何度かあった。まあ試乗ばっかりで、しっかりと走りこんではいないけどハーレーについて感じた事。

ハーレーは普段使いのハイエンドコモディティ、そしてドゥカティ/KTMはスポーツ用品(ブランド)

シリコンバレーに駐在中に使っていた社用車がサンダーバードのV8の4リッターだったけど、日本車やヨーロッパ車とは違ったユルさ。あの広大な大地を何時間も走る事を考えると、ユルユルで大トルクなのが良い。足回りも柔らかめで車線変更なんかもユッサユッサと動く。BMWメルセデスも人気はあるけど、あのくらいカッチリした動きをされると、フリーウェイを何時間も走るのは辛い。もちろんワインディングを責めるの間違いなく楽しい。あの広大なフィールドではアメ車は面白い。

週末に休みを取って、秋田の山に行った。高速で一気に岩手までいってそこから下道。アケアケで行くと気持ちがいい。下道でちょっと林道に入ると楽しい。見通しのいい所では、目一杯楽しめる。

だけどちょっと感じ始めた事。体力の低下と共にアケアケで攻める前に体力が続かない。正直目的地までの道のりは退屈だ。下手な国産車よりいいが、でも一定のスピードで走り続ける事に一切の喜びはない。最近ちょっと辛い。

ふと考えた。これを楽しいエクスペリエンスに出来ないのか?(多分そうしたら、目的地についてからの経験が凡庸なものになるのだが)

多分、そこがハーレーのエンジニアが考えている事なんじゃないか?ゆっくり流してもエンジンの存在が分かる。音とバイブレーション。この味を作る事に注力してるんだなと。何がすごいと言えば、普通に走ることを面白くしてしまうこと。エンジンが回っているだけで楽しい。もちろん、そこそこのペースでいくのも余裕がある。ほぼほぼ車のエンジンと同じキャパのエンジン。開ければ速い。

そりゃあ、スポーツライディングを楽しもうと思えばハーレーよりいいものはいくらでもある。だけど、そんな瞬間は人生で限られてる。だから最高のエクスペリエンスをコモディティとして(=いつでも)提供するガジェットを作った。それがハーレーなんじゃないか?

ドカもKTMも楽しいのだけど、それはスポーツ用品な訳で、それを普段使いとしてやるには、何かを犠牲にするわけ。

ちょっと休みを取って岩手の方に出かけた。KTMってダカールラリーで有名だけど、あの巨体でオフロードを真面目に攻めていけるのが楽しい。

motorcycle news: new bikes

おそらく ドゥカティ も、その瞬間を迎えた時は楽しいんだと思う。でもそれって、スポーツ用品として限られた条件を求めた時の面白さであって、いつでもコモディティのように体験できる事ではない。

KTMは楽しい。だけどそれはアケアケや攻め攻めの面白さであって、スポーツ用品(安っぽい表現だが)としては、ここを使わないと面白くない。おそらくドゥカティは(試乗しかしてないけど)、ワインディングとかで走ったら凄く楽しい。KTMは(アドベンチャーの場合)オフで走ると凄く楽しい。あの巨躯がいわゆるオフ車として動くのは素晴らしい。

動かすだけで楽しいコモディティブランド

回るだけで楽しいエンジンって凄い。古いハーレーだと3拍子といって、止まるか止まらないかギリギリの所でアイドリングさせてるユーザーも多い。あれだけで楽しい。

週末は風が強かったせいもあるけど、高速を100キロくらいで巡航していると風切り音しか聞こえない。そこから加速していけば、元気のよいKTMサウンドが聴けるんだけど、やはり強風。

おそらくハーレーの場合って、その速度域・回転域でもエンジンの存在感が強いんだろうな。

欲しいw

おまけ